今日の海鮮

銀マトウ(カガミダイ)

銀マトウ(カガミダイ)

これは西浦市場で購入した「銀マトウ」、本名はカガミダイという魚。銀マトウなんて呼んでるのは愛知の人間だけなのかもしれない。なぜ「マトウ」なんて呼ばれ方をしているかというとマトウダイ科という種類があり両者ともここに所属する、し、確かに見た目が似ているのだった。ただし、マトウダイにある、いわゆる「的(まと)」っぽいものはみられない。まあ、マトウダイのマトが的なのかは諸説ある所なのでこれくらいにしておこう。

なお、3枚で250円(核爆)

腹の部分

本種は腹の部分がモゾっとしているのが特徴的であーる。触るとプニッとしている。これは何と全部胃袋である。食欲がもの凄いのかしら…とにかくこの胃袋の発達っぷりりは凄いって事でご開帳…

ま、ツイッタじゃないし、好きな人しか見にこないだろうからグロいのもどんどん上げていくぞ〜ってことでこの爆弾みたいな奴は全部喰いカスである。胃袋を抜かれた本体をみてもらうとわかるけど、ヒカラビた感が凄い。流石に胃袋の中身をアップするのははばかられますんでやめておきますけど棒状の何かが見られました。うーん、どうみても寄生虫の類ではない。あとイワシ丸ごとw

とはいえ記録として残ってたのでアップしよ。見てみたい奇特な人は

捌く

本種に限らず棘に気をつけましょう。

見ての通りヤバさ満載なので、ハサミでカットし切るのがいいでしょう。

切り分けた様子。この画像からわかるように、結局、腹の胃袋や、ほとんどアラとしか良いようのないデカい顔面を除くと可食部は驚くほど少ない。従ってこの胴体の部分だけ切り取られて売られる事も多い魚なのでした。ただ、俺は全部食うけどな。

これが「いわゆる可食部位」です。平たいっす。

ベロっとな。余りの平たさから真ん中から包丁いれていわゆる5枚っぽくしようかと思ったけど、まあ小さいしなあ、、、ってことで何とか3枚にしましたが、骨の入り方が独特でありますね。

ないぞー

本種の特徴of特徴的な部分の胃袋であります。内容物が内容物だけに臭いもまた結構凄い。食えるのか(食える)

そして、これだけを取った画像がなかったけど肝。これがうまい。

刺身

また刺身の画像がねえンゴwww。刺身にも切ってみたけどイマイチだったんだよね〜ってくらいしか感想がありませんでした。

臓物とアラ

下茹でする。アラは、そもそも血まみれになっている系じゃないのでそう気にする必要もないかもだが、下茹でしておいた。胃袋は事前に塩でひたすら手もみして、臭いに納得してから煮る。胃袋に関してはあまり煮すぎずある程度火が通ったら上げてしまう。

これが取り出したる胃袋だ。めっちゃ固い。こういう部位は歯応えだけで勝負となるので固ければ固いだけよい。

実食

アラ汁

びびるくらいのうまさ

こいつのアラは捨ててはならぬ…なお、肝も一緒に一片入れてみた。これはこれでもの凄いうまいんだが、溶けだすタイプではないんだな。固形にまとまるタイプ。フォアグラみたいな感じだと思う。フォアグラあんま食ったことないけど。

とにかく、アラから出る出汁はかなり上質で、これが雑魚級の値段で売られているのはもったいないというか何というかラッキーっていうかさ。

固形感のあるキモ

胃袋の酢味噌あえ

これが胃袋じゃ!!このうまさは最高レベルだな。深海系はやっぱうまい気がする。ちなみにこいつは深度200メートル級だそうです。

塩焼き

以外と普通

ムニエル

さて、マトウダイの方は、おフランスでは「Saint-Pierre」とかいわれるレベルでメジャーである。これはサンピエールと日本語では表記されるかもしれないが、聖ペトロの方が通りがいいかも。何にせよ、日本ではマイナーな種類かもしれないが海の向こうでは非常に著名な種であるらしいのだ。

得てして、このような魚は刺身やら塩焼きみたいな素朴な味付けに向かない魚が多い。なぜならあちらさんはソース文化だからであーる。切っただけでそこそこ人気のある魚はあまり好かれない。じゃあこれはどうなんだよ!ってことでやってみよう。

ニンニクオイルからの小麦粉つけた魚体を炒めて白ワイン蒸しから仕上がったら一度魚体を取り除く。この後、今回はミニトマトを使いましたけど、残っている魚の脂やら何やらとミニトマトを混ぜあわせておいておくとトロッとしたソースになりますんで、これを 乳化 っていうらしいです(レモンとかでもok)。この乳化によってドロっとした「ソース」を取り出した魚にふりかけるわけですナ。こういう乳化プロセスとかは日本料理の概念に無い所なので、これをしっかりやるかやらないかで炒めものか、ムニエルか変わってくるんじゃねーかなーと思います。

味はね、言う事ねーな。流石や。いろいろ長々と書いたけど、これはうまい。

総括

(切っただけの)刺身は固体にもよるかもだが、味わいとしては微妙でした。胃袋はトップ級にうまく、また肝も最高なので、可能な限り内蔵は取得してください。アラの出汁も絶品です。

塩焼は普通。ムニエルにするとたちまち評価が跳ね上がります。いずれにせよ、これだけ安ければ買わない手はないですな。