今日のザケ

ホワイトなライトラム(バカルディ)と甲類焼酎

ホワイトなライトラム(バカルディ)と甲類焼酎

ラム、ラム酒というのを俺たちはどういう風に作っているのかイマイチピンときてねえ所があると思う。日本には黒糖焼酎という伝統的な焼酎があるのは焼酎野郎には周知の事実だ。ラムは砂糖が関係しているっぽいから黒糖焼酎ラム酒みたいなイメージを持ちがちだけど実はこれはかなり違うっぽいのであった(調べた限り)。

日本ラム協会のウェッブサイツを見てみよう

さすが、ラムコンシェルジュとかの資格を出してるだけあってあたりまえに造形が深いというか、へ〜感がすごいある。基本的にはサトウキビを圧搾してジュースを絞り出し、

砂糖の結晶と糖蜜とに分ける

この辺が重要っぽい。つまりサトウキビから絞り出したジュースからは

  1. 砂糖の結晶
  2. 糖蜜(=廃糖蜜、同義)

が出てくるという事で要するに砂糖になり切れなかった部分の絞りカスみたいなもので作っているっぽいのがわかる。これを↑に書いてあるように廃糖蜜と言い(廃の字が好まれないので「糖蜜」とする事が多い)、さらにこれの事をモラセスと言う(このページにはあんまり書いてないけど)。ラムで使うのはこのモラセスの方で、普通に砂糖になれた奴はそれこそ普通に砂糖として使うって事だろうね(ただし、全部のラムがモラセスだけで作ってるとか、そういうわけではないけど少なくとも大部分のラムはそうなっている)

その次に

酵母が糖分を分解し

っていうわけで、詳しく書かれてないけど何らかの酵母により発酵させるという事だ。まあそらそうだよね。この原液が4〜8%のアルコール濃度を持つ「醸造酒」状態。

これを

カリブにおいて、大多数はステンレス製の柱状型連続式蒸留機を用いる。他、一部では単式蒸留機も用いられている

により蒸留する。ん〜なるほど。

これを寝かせず詰めればホワイトラム。樽に仕込んでから出すとまあいろいろなるという事がわかる。

バカルディ

ラムの世界最大・最強メーカーである。

bacardi

本社こそバーミューダ諸島に存在するようだが、世界各国に蒸留所を構えている。もともとキューバが発祥だったようだが社会主義に飲まれるのを嫌って脱出したんだって。

この地図でも大量にbacardiがあるのがわかるけどピンが立ってるのが本社だ。

バカルディ社のウェッブサイツを見てみよう

日本ラム協会のウェブは一般的なラム酒の製法を書いているがバカルディ社のサイトはもっとバカルディに特化した情報が見られる。まあそりゃそうか。

先述したように、バカルディはラム最強のメーカーであるから日本法人まである。個人的にはラム界の霧島酒造みたいな印象だ、いや、規模的に比較がおかしいですか?まあほら、比較的ニッチめな酒だけどコンビニとかでも買えるという意味で。ってわけで日本語のウェブサイトがあるので見てみましょう。

https://www.bacardijapan.jp/products/brands/bacardi/story/

ここでは「酵母」に

ドン・ファクンド・バカルディが開発したバカルディ独自の天然イースト菌株“Le Levadura BACARDI”を加えて

発酵させてできた醸造酒の事を

アルコール度数8~10%の発酵液(Low Wine)を形成します

Low Wineと呼んでいる事がわかった。

そして

  • 1種類は1回の蒸留で、ヘヴィで強い個性があり、アロマとフレーバーが豊かなラム原酒にします
  • もう1種類は、5回の蒸留を経てライトでかすかなフレーバーがあるウォッカに近いラム原酒にします

というわけで、1回蒸留の原酒と5回蒸留でほとんどエタノール化した原酒を混ぜ合わせて製品を作っている事がわかった!なるほどね。

糖蜜?連続式蒸留機?

あれ、このワードはなんか聞き覚えがあるんぞ。これは….甲類焼酎やんけ

001

ウハッ。大五郎だって原材料「糖蜜」やで。つまり

もう1種類は、5回の蒸留を経てライトでかすかなフレーバーがあるウォッカに近いラム原酒にします

こっちの方はほぼほぼ甲類焼酎やんけって事で。

002

ん〜… ウーン。なるほど、並べてみると度数の違いが25度と40度でかなり違うのはわかるんだけど、なるほど、これは…

カリブの連中は甲類焼酎に近いものを飲んでハッピーになっていたのか…なるほど、これはレモンとかで割ってもいいし、逆にいうと甲類焼酎でモヒートを作ってもわるくないって感じなわけだ、というか甲類焼酎は税法的に36度以下でないといけないから35度の製品なら割とみられまして、↑のキンミヤも35度はあるし、なんならこのカテゴリーは「ホワイトリカー」である。

むしろホワイトリカー、ほぼラムやったんかお主

というわけなんだけども

日本の場合は「焼酎」と「スピリッツ」で税率が違うので、どうしても「焼酎」のカテに収めたくなるのはよくわかる、し、これによって「焼酎」の文化が守られているとも言えるんだろうと思うんですよ。まあ、あとよく日本人の舌は高濃度のアルコールを味わう事ができないという論とかがあって、税法関係なく南方の焼酎は30度程度に割り水されるし、鹿児島は25度、宮崎はモノによっては20度に割り水されるとかもあるので、こういう所は文化の違いなんかなーと楽しめばいいのかなと思いますた。

ただ、この目の前にあるラムは比較的、甲類焼酎に近いものであるという知見はウンチクとして持っておいても良さそうである。

甲類でも実は結構味が違うという話もあるように、この一番簡単なホワイトラムで結構違いますね、バカルディロンリコアプルトン、、今は亡きブルガル(単に輸入元消失)とか結構違うんだけども、その中でもやっぱ戦力の数は正義ってわけじゃないけどバカルディは良く見るし、実際味もそこそこよい!この秘密は一回蒸留と五回蒸留のブレンドにあったのだった。勉強になりました。

ところで黒糖焼酎は…?

ラム黒糖焼酎みたいなイメージが付きやすいけど実はかなり違っていて、黒糖焼酎はまず黒糖を錬成せにゃならんと。糖蜜(廃糖蜜・モラセス)はそもそも砂糖の前段階で出るものだけど黒糖はほら、砂糖じゃないですか、だから、そもそもが違うという事になりまして、歴史的経緯もあって結構世界的に見ても独特なブツであるという事がわかります。

ラムはこのモラセスに酵母をぶちこんでいきなり発酵させるんですが、黒糖焼酎は米麹で「もろみ」を作っておき、ここに黒糖をぶち込むという何というかすげー手間なやり方をしています。ただ、この製法を守らないと黒糖焼酎と名乗ってはいかん事になっており、非常に酒税法的なアレを感じますが、ただね、これは結局やはり文化の保護という観点が強いと思うので、まあここはそういうものとして見るべきなんでしょうね。そもそもスピリッツとして売ってもいいわけだし、まあこの辺は考え方でしょう。企業も少しでも利益出したいですしね。

モラセス

これ、アマゾンとかで売ってるんで今度買ってみたいです。ググればどういうものかすぐわかると思います。

ところで

ホワイトラムはなんかトニックと合わせてる事が多いけど甲類でもいけるのかな?やったことあんまないけど。

ラムに関してもちょいちょい掘っていくで〜。カシャッサ(カシャーサ)ってのもありまして、これらの製法の違いは、、、よりわかんねえなって所です。まあ実際ほぼほぼ同じとしてもいいんだろうけどね。