今日の海鮮

イカの塩辛と俺流イカのおろし方

イカの塩辛と俺流イカのおろし方

今回のエントリはちょっと長いぜ?

スルメイカ、場合のよっては「真イカ」と呼ばれます。サイゼリヤで「真イカのパプリカソース」ってあったのは記憶に新しい。日本で取れるイカの半分以上ていうか大半は本種なので真イカと呼ばれるのも納得できますね。

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というわけで安いのが手に入りましたが、状態としては正直並だと思います。今回は包丁を全く使わない解体ってのをやってみます。

まずイカの構造を確認

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見ての通り筒状になってます(イカリングとかあるしね)。ただ、筒状といっても本体は筒のどこかに張り付いていないとスッポリ抜けちゃうわけで…貼り付いている側の向きを確認しておきましょう。

そしたら本体が貼り付いていない方の面をハサミでジョワーっと切ってしまう。そうするとこういう具合に開ける

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当然このような開き方をした場合はイカリングみたいなのはできないし、今回はある程度雑にやってもokって感じでやってるというのをご了承ください。所詮ハサミですし。

綺麗に身が貼りついております。

そしたら足を持って上に雑にひっぺがして貼り付いてるやつから頭をひっぺがします。この時真ん中のワタを破壊しないようにします。頭の身はボロボロになってもええわ。

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とやると綺麗に剥がれます。

お刺身になるのは主に頭の部分なんでワタとかをどうするかという話なんですが、「ワタ焼き(ちゃんちゃん焼き?)」とかにしてもおいしいから食べるに越したことはない気がします。なお抱卵してますねこれ。' 今回は塩辛を作るのでワタが超重要。これを捨てると話にならないので丁寧に取り扱います。

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上の身からトンガってる部分をひっぺがします。これを「エンペラ」といいます。これはあんまり刺身にしませんが、とにかく取っておく。 雑に剥がしたので身に穴が開いたけど気にしない事にします。今回は綺麗さは二の次っす。

ちなみにここまでハサミと手でやっています。今回は包丁は本当に使わねえぞ

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次に下の身ですが、ワタの部分から足をハサミで切断します。目の上くらいの部分は軟骨になってますんで、ワタにダメージなく切断する事はそう難しくないでしょう。

これでアタマ、エンペラ、アシ、ワタらしき部分に4分割できました。

足の処理

イカの足は基本、刺身にあんまなりません。悪くはないけど安い味がしますしね、焼いた方がうまいんでしょう。薄皮も取れないし。

ただ、塩辛だと食感が非常にイケてるのでこれは使わない手はない。

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↑の図のように真ん中に「クチバシ」と呼ばれる固い口があるので取り外します。これは「トンビ」ともよばれます。ある程度あつめるとうまいらしいよ。今回は捨てちゃったけど。このトンビだけ集めた珍味とかよく売ってますね。 手でほぐせば簡単に取れますよ。

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ワタっつーか胴体のコアの部分です。真ん中に貼り付いてる黒い帯状のものは墨袋っす。真イカは墨袋が少ないんだね。これは先っちょを手で撮んでビリっと剥がすと綺麗に取れるので何にせよ取ってください。この量だと破壊してもそんなヤバくなさそうだけど破壊していい事はないので破壊しないように優しく剥がします。

内蔵の頭よりの部分は崩壊しやすいので、より丁寧に剥がしてください。下の軟骨の部分はそんなに攻めなくてもok

ワタを塩攻め

捌き終わったという事で、ここからは塩辛マン向けの記事

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ワタを塩で固めます。このまま冷蔵庫放置、1日〜2日。ラップなし

ワタ以外

今、ワタを処理したので、残ったのは、アタマ、エンペラ、アシって事になりますよね。で、あたまの部分は薄皮がついているので刺身にしたい場合は薄皮を剥がします。塩辛とか焼いたりする場合は皮は付いたままの方が食感に繋がるのでご自由に。皮は食べられないものじゃないのでお好みでどうぞ。ただ、刺身で皮が付いてるのは一般的に言ってかなり無しな感じだと思うので刺身にする場合は剥いてください。

さて、ここでアニサキスの問題があります。アニサキスはスルメイカの筋肉の部分に埋まっている事があります、これは魚と違って見ればすぐ埋まっているのがわかるんですが、よく見てくださいと同時に警戒しすぎないようにするのも重要で、見間違うと線状のものが全てアニサキスに見えてきます(笑)居る場合は確実に肉に埋まっているので包丁で穿る必要があります。ツルツルしている所はokっす、なんかゴワッとなっている所を調べる必要があります。いない事も結構ありますけどね。

ちなみに塩漬は効果無しといわれてますが、まあ確かに生きてる事はあるらしいです。ただ活性が相当鈍るので食って人間の内蔵に突きささる程の元気はなくなってるんだろうと思います。何にせよ自己責任という事になるでしょう。

で、話それましたけどワタ以外の部分は**脱水シート(ピチッとシートとか)**なんかあればそれを使ってもいいけど適当にジップロックなりなんなりで保存しといてもいいでしょう。今回頭の部分が結構あったんでこれは刺身にしました。

塩辛を作る

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さて、これがワタ以外置いといたブツです。塩が振ってあります。小一時間くらいすると…

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水分が出てきます。テカテカになってるのがわかると思います。脱水シートなど使った場合はこの行程は不要

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さて、こちらは塩攻めで2日も置いたワタで見ての通り↑の小一時間とは半端ないくらい水分が露出していますと同時に油みたいなのも塩の外に浮いてきています。これらを排除します。

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塩を取り除いたワタです。結構綺麗っすね。ここでワタをやっぱりハサミで切り落しつつ「裏漉し器」を使って漉しとりますが、なければないで中身だけ絞り取ってもok

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完成

あとは混ぜあわせて完成っす。初日2日くらいはまだ馴染んでないし発酵なんてそんなすぐしないので3日目くらいから味わいが出てくるでしょうが、そのくせ保存対策を全くしていないのでそんなには日持ちません。一週間くらいで食べましょう。過ぎちゃったらパスタとかにしてもよし。それ以上放置したとして、匂いがヤバい感じだったらすぐ捨てましょう。

まあ割と鮮度に関しては見た目と嗅覚でおおよそのヤバさがわかるはずで、ヤバいなーと思わなかったら逆に死にはしないでしょう(笑)まあ辺な雑菌繁殖させちゃったっていうパターンもあるんだろうけどボツリヌスとかだってすげえ匂いするらしいですしね。

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用法

やはり飯に合わせるのが一般的なのかなと思われます。

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卵つぶれちゃったけど生卵とあわせて丼にするとかなりうまい。

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シンプルに飯に合わせる

オリーブの系統も合う

アンチョビみたいなノリで使ってもいいのかなーって感じです。 塩辛の場合オイルベースで仕上げるパターンが多いと思うんですが下のように

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トマトといっしょにワタごと煮ると

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濃厚なトマトソースが完成するので、やってみる価値ありなんかなーという。塩加減だけ注意っすかね。